さよならアコ

目を覚ましたら…

「おはようございます!ご主人様っ!」

朝。
目が覚めると横に寝ているはずの彼女が横に居なかった。
上体をゆっくり起こし、部屋を見渡す。
いつもと変わらない寝室だが、明らかに違和感がある。

「寝ぼけてるんですか?朝ごはん冷めちゃいますよー?」

おたまを片手に彼女が僕の顔を覗き込んだ。
見慣れたナチュラルな顔立ちに栗毛色のふわふわボブ、色白な素肌に真っ白なフリフリエプロン。
しかしそれは大きな胸をすべては隠し切れず、ツンと上を向いた先端が辛うじて布に覆われているが横は大きく露出しているという有様だ。裾もかなりきわどい。
僕は思わず彼女を組み敷いた。

「あっ・・・!ご、ご主人様っ!?」

壁ドンならぬ、床ドンである。
彼女は頬を紅潮させながら、恥ずかしそうに目を反らす。

「やっば・・・なんだこれ夢か・・・?
すっげー可愛い」

エプロンの両サイドから手を入れ、胸をまさぐる。
慣れた触り心地だが、息を荒くしながら時折くすぐったそうに吐息交じりの声を漏らす彼女に、いつも以上に昂った。

「我慢できない」

足の間に手を滑らせる。滑らかな内ももから秘部へと撫でるように、まさぐるように指を這わせ割れ目を開いてゆく。
そこはしっとりと湿り気を帯びていた。

「んぅっ・・・ご主人様・・・
きて・・・?」

瞳を潤ませながら両手を僕の方に向ける彼女。
男なら行かねばならぬだろう。
僕は反り起つ己を彼女の内へと押し進めた。

「ああっ・・・!」

彼女から甘い声が上がった。
ほんのりと温かく、絡みつくように包み込んでくる肉を、捏ねるように突く。
競り上がってくるそれを搾り取られるようで、僕は息を飲んだ。

「っ、出る・・・っ!」
「はいっ、ご主人様!出して、私の中にご主人様を、ください・・・!」

視界で光が弾け、全身の毛が逆立った。
僕は彼女の胸に顔をうずめるように、倒れ込む。

「もう、ご飯覚めちゃったじゃないですか・・・」

彼女は僕の頭を優しくなでながら、頬を膨らませた。
呼吸も鼓動も無い、が、ほのかに温もりがある。
そしてこの香り。
これは僕が毎晩体の手入れをした後彼女に与えている香水の香りだ。

「やっぱり、アコなのか・・・?」

そう、彼女は僕のラブドールだ。
もう何年もともにしている、ラブドールだった。

「誰だと思ってたんですかっ!?」

アコは目を丸くして驚いた後、もう、もう!と言いながらぺしぺしと僕の方を手のひらで叩いた。
こんなことがあるだろうか、昨日まではただの普通のドールだったのだ。
僕が服を着せ、身なりを整え、座らせ、世話をしていた彼女だ。

「だってほら、びっくりするじゃないか」
「あ、そうですよね!
なんというか、私もよくわかんないんですけど・・・朝起きたら、こんな感じになってました!」

アコは自慢げだ。

「ところでご主人様?のんびりしていてもいいんでしょうか?
今日は月曜日ですよ」

アコに言われて慌てて時計を見る。
7時30分。

「まずい!!」

僕は飛び起きた。
慌てて寝室を出る。後ろにアコが続く。

「朝ごはん、できてますよー
もう冷めちゃってますけど・・・」
「食べる、食べるよ!食べるから用意しといてくれ!」
「はーい!」

おたまを握りしめ、アコは嬉しそうにキッチンへと入っていった。

それから僕は身支度を整え、アコの作ってくれた冷めてしまった朝食を食べて、
いろいろと疑問は残るがとりあえず会社へと向かったのだった。

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